キュビスム
ひとつの視点を捨てて、見えるはずのない面まで一枚に畳み込む。ルネサンスが発明した遠近法の約束を、およそ500年ぶりに組み替えた発明です。きっかけのひとつは、1907年のサロン・ドートンヌで開かれたセザンヌの回顧展でした。そして名前は、またあの人から来ます——1908年、ルイ・ヴォークセルがブラックの絵を「あらゆるものをキューブに還元している」と評したのです。フォーヴィスムを名づけたのと同じ批評家でした。ピカソもブラックも、この呼び名を自分から名乗ったことはありません。この二人の距離感が、変わっています。ブラックはのちに「僕らはザイルで結ばれた二人の登山者のようだった」と振り返りました。実際この時期の二人の絵は、どちらが描いたか見分けるのが難しいほど似ています。(『アヴィニヨンの娘たち』へのアフリカ彫刻の影響はよく語られますが、近年は制作時期との前後関係に異論も出ています。)その『アヴィニヨンの娘たち』は1907年の作ですが、人前に出たのは9年後でした。ピカソは長らくこの絵を『アヴィニョンの娼館』と呼んでいて、1916年7月のサロン・ダンタンで初めて公開されたとき、詩人アンドレ・サルモンが刺激を和らげるために『アヴィニヨンの娘たち』と改題しています。20世紀でいちばん有名な絵の題名も、他人がつけたものでした。そしてこの帯には、いまの暮らしまでまっすぐ届いた発明がもうひとつあります。切り貼りです。1912年5月、ピカソは籐の椅子の柄が印刷された油布を画面に貼り、縁をロープで囲みました。同じ年の9月には、ブラックがアヴィニョンの店先で木目を印刷した壁紙を見つけ、それを切って絵に貼ります。絵の具で描くのをやめて、世界の断片をそのまま持ってくる——コラージュの誕生です。この方法はフォトモンタージュへ、グラフィックデザインへと渡り、いまあなたが毎日やっているコピー&ペーストまで続いています。