ランド・アート
1968年10月、ニューヨークのダワン・ギャラリーで「Earth Works」という展覧会がひらかれました。そこから数年で、作家たちは砂漠へ、湖へ、荒野へ出ていきます。1969年、マイケル・ハイザーはネヴァダの断崖から24万トンの土を動かしました。1970年、ロバート・スミッソンはユタのグレートソルト湖に、玄武岩で長さ460メートルの渦巻きを築きます。『スパイラル・ジェティ』です。動機は、売れないものをつくることでした。買えない、運べない、飾れない。市場の外へ出れば、自由になれるはずだった。ただ、その後の展開は少し皮肉です。作品そのものは売れなくても、写真と図面と記録は取引され、画廊とパトロンが作家の生涯と遺産を支えました。外へ出ようとした運動を、外から支えたのが同じ仕組みだったわけです。『スパイラル・ジェティ』はいま、湖の水位によって現れたり沈んだりを繰り返しています。持ち主のディア芸術財団は、毎年その姿を写真に記録し続けています。