もの派
1968年10月、神戸の須磨離宮公園で、関根伸夫が地面に直径2.2メートル・深さ2.7メートルの穴を掘り、掘り出した土を同じかたちの柱にして隣に立てました。『位相—大地』です。何も足していないのに、そこにあるものの見え方が変わる。石と鉄板を、ほとんど手を加えずに置く——「つくる」ことを最小限にして、物と物、物と場の関係をそのまま見せる態度が、ここから広がりました。理論を支えたのは李禹煥です。ちなみに「もの派」という呼び名は外からつけられたもので、作家たち自身は名乗っていません(誰がいつ言い出したかには諸説あります)。同じころ、地球の反対側でミニマリズムが同じように削っていました。互いを知らないまま、別の原理で同じ場所に着いています。