新表現主義
1970年代の美術は、概念と最小限のほうへ行きました。アイデアが作品になり、箱が等間隔に並びました。その反動として、1980年ごろ、大きな絵の具の絵がまとめて戻ってきます。1981年、ロンドンの王立芸術院で「A New Spirit in Painting」展。1982年10月には、ベルリンで「Zeitgeist」展。ドイツのバゼリッツ、キーファー、リューペルツ、ポルケと、アメリカのシュナーベル、クレメンテ、そしてバスキアが同じ会場に並びました。名前は国ごとに違います。イタリアでは批評家アキッレ・ボニート・オリーヴァが「トランスアヴァングァルディア」と名づけ、ドイツ語圏では「新しい野獣派(Neue Wilden)」、フランス語圏では「フィギュラシオン・リーブル」と呼ばれました。「新表現主義」という語そのものを誰が最初に使ったかは、実は分かっていません。この地図では、この帯を感情と形の帯に置いています。1905年の表現主義から75年へだてた場所に、回帰の線で結びました。20世紀のはじめに一度、絵は感情のほうへ大きく振れています。同じことが75年後にもう一度起きた、という見方です。バゼリッツは1969年から絵を上下逆さまに描き続けました。何が描いてあるかより、絵の具そのものを見せるためです。2026年4月30日、88歳で亡くなりました。