象徴主義
見たままを描くことに、疲れた人たちがいました。1886年9月、詩人ジャン・モレアスが『ル・フィガロ』に「象徴主義宣言」を発表します。もっとも、これは文学の宣言で、絵画のほうは名前をあとから借りたかたちです(モローもピュヴィも、宣言の20年前から描いていました)。描かれたのは、夢、神話、幻、名前のつかない不安。目に見えるものより、目に見えないもののほうが本当だ、という立場です。この帯が効いてくるのは、38年後でした。1924年にシュルレアリスム宣言を書いたアンドレ・ブルトンが、自分たちの先駆けとしてギュスターヴ・モローの名前を挙げるのです。夢を描いていいと最初に言った人たちがいたから、夢を主題にできる世代が来ました。ついでに言うと、ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの平らで単純化された画面は、ゴーギャンたちにも効いています。この帯は、いろいろな川の分水嶺です。